第2話で登場した妖女「玉梓」は、(後々の)義実や八犬士達の敵役でもあり、副主人公でもある重要人物です。浮世絵でも琴を縦にかかえて抱いた姿で描かれています。
この「琴」は、意味深いものを持って描かれていると想像します。琴の各部名称は、架空の生き物である「龍」に見立てて名付けられています。”竜頭”、”竜角”、”竜舌”、”竜甲”、”竜尾”など、、、
琴を抱く玉梓は、竜女であることを暗示しているとも言われています。言葉の咎で、恨み、呪いを放った玉梓の怨念の力は、人間の念では計り知れないものがありました。その力は、とても人間のものとは思えない、竜女であったからこその怨念なのかも知れません。
または、言葉遊びも良く目にする八犬伝なので、ただ単に作者”馬琴”の琴の字を意味する描画という話しもあります。しかし、僕は”竜女”であるほうが面白いので、前者をとりました。義実達の見た「龍」は、もしかしたら、玉梓が呼び寄せるために見せたのかも、、、と想像を膨らませています。
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