第2話で、悪政を行う山下定包を暗殺しようと杣木朴平が立ち上がった事件。暗殺は無事に成功したかに見えたが、定包の計略にあい、杣木朴平は領主とその家来、那古七郎をあやまって殺めてしまう結果となった。
この ”杣木朴平” と ”那古七郎”。
この2人は、後に意外な繋がりを持つことになります。時は過ぎ去り、嘉吉元年(1441)から、37年後。2人の子孫は、互いに結ばれ子どもを産むことになる。しかも、その子どもは八犬士の一人 ”犬江新兵衛” なのだ。
犬江新兵衛は、仇同士の朴平と七郎の血が流れているということになる。
この事を知った、新兵衛の父 ”山林房八” は深く傷つき、この因果の血を断ち切るため、命を賭して救う決意をする。だが、その想いを成し遂げるため、妻の沼藺と、息子の大八の死という家族の犠牲も出してしまった。その並々ならぬ忠義は、勇犬士に劣らないとして、死の間際に、蜑崎照文(あまさき てるふみ)によって里見家家臣に取り立てられ、その生き様は口碑に残り、房八の血で染まった信乃の衣は秘蔵されることになる。
しかし、この37年後の悲劇の元凶は、山下定包を討とうとした杣木朴平が発端ではない。武士の家来として腕を磨いていた杣木が、なぜ身を潜めなければならなくなったか。また、多くの家臣が山下定包に寝返っていくなか、那古七郎が、なぜ孤立していく戦いを強いられなければならなくなったのか。ある一人の存在が大きく関わってきます。
次の第4話は、その人物が、里見義実の前に現れます。
引き続き、興味とお時間がありましたら、お立ち寄りください。
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